・平行世界と分岐世界
平行世界は、世界線が複数存在するとき、これらが交わることは無い、という考え方。比べて、分岐世界は、1つの世界線が複数の世界線に分岐するという考え方。後者には2種類に大きく分けられる解釈が可能。
・分岐世界 ~平行世界を保存~
この場合、分岐とは、省略の技法である。同時代差の、ターニングポイントまで全く同じ姿をした平行世界を、まとめたものである。ここまでで分かるように、この場合、分岐前の世界線はひとつでは無い。微視的交換が可能なので〝ひとつ〟にまとめることができるのだ。
・分岐世界 ~平行世界を操作~
こちらが今回話題の世界線の修正に大きくかかわってくる現象である。この分岐世界には時代差も平行世界も存在する必要は無く、ビッグバンの時点では世界線はひとつであり、そこからどんどん分岐していく、というものである。ドラえもんの世界では世界線はひとつであるように描かれていると思う。この分岐世界は、前者(とどのパラレルワールド)をよりドラえもんの世界に近づけた、やや通俗的なものであると私は解している。自世界線中心的な考え方だからだ。修正する前の世界線は存在しないか、存在しないことにすることもできるのだから、バーチャルワールドとも呼べるのでは?と思う。バーチャルワールドに関わっている大抵の作品には、TVゲームや電子機器が出現する。RPGの世界をパラレルワールドとしてとらえて考えているようなのだ。
バーチャルワールド(バーチャルパラレルワールド)は、精神(内面)を微視的に保存し、世界線(外面)を巨視的に書き換える(切りとって貼りつける)ことのできる世界で、これを悪用すればビッグバンも修正できるので、現実世界は崩壊するか、仮想世界と同じかになる。このバーチャルワールドの特徴は、魂(自意識)は、物理身体を離れては存在し得ない、心身同時生起的な現象であるととらえている。記憶は物理・生理的な身体(外面)に保有される現象なので、ターニングポイント以降の世界線を修正すると、別世界線(分岐後のもう一方の世界)に存在した本人の外面(身体)、そして社会や歴史の結果(世界線の外面すべて)が上書き(あるいは交換)されるので、本人はこの世界の記憶(身体)を失う。そして、もう一つの世界の記憶(身体)を得る。人物の生死もこの方法で操作できる。
(2012/4/26)